お子様の顎が狭くて心配していませんか?
今回は、小児矯正で顎を広げることによるメリット・デメリット、ベストな時期、最新の治療法、費用相場、注意点などを徹底解説します。
顎が狭いことで起こる見た目や健康への影響、床矯正・マウスピース矯正・急速拡大装置といった治療法ごとの特徴や費用、治療期間の違いなどを詳しく説明することで、お子様に最適な治療法を選択するための判断材料を提供します。さらに、信頼できる歯科医院の選び方や治療中のケア、定期検診の重要性といった、小児矯正を成功させるためのポイントも網羅。
よくある質問にもお答えしているので、小児矯正に関する疑問を解消し、お子様の健やかな成長をサポートするための情報が満載です!
小児矯正で顎を広げるメリット
顎が狭いと、見た目や健康面に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。小児矯正で顎を広げることで、これらの問題を未然に防ぎ、健やかな成長をサポートすることができます。
見た目への影響の改善
顎が狭いことで、口元が後退して見えたり、顔が歪んで見えたりすることがあります。小児矯正で顎を広げることで、顔のバランスが整い、より調和のとれた美しい顔立ちへと導くことができます。特に成長期のお子供様の場合、顎の成長を促すことで、将来的な顔貌の改善に大きく貢献します。
口元の後退の改善
顎が狭いことで、下顎が上顎に対して後退しているように見えることがあります。これを「反対咬合」や「受け口」と呼びます。小児矯正によって顎を広げることで、下顎の位置を改善し、バランスの良い口元を作ることができます。
顔の歪みの改善
顎の左右の成長に差があると、顔が非対称になり、歪んで見えることがあります。小児矯正で顎を広げることで、左右の顎のバランスを整え、顔の歪みを改善することができます。
健康面への影響の改善
顎が狭いことは、見た目だけでなく、健康面にも様々な影響を及ぼします。小児矯正で顎を広げることで、これらの問題を改善し、健やかな成長を促すことができます。
歯並びの改善
顎が狭いと、歯が並ぶスペースが不足し、歯並びが悪くなることがあります。叢生(そうせい:歯が重なって生える状態)や乱杭歯(歯がガタガタに生えている状態)は、顎の狭さが原因となることが多いです。小児矯正で顎を広げることで、歯が綺麗に並ぶためのスペースを確保し、歯並びの改善を図ることができます。綺麗な歯並びは、虫歯や歯周病の予防にも繋がります。
呼吸の改善
顎が狭いと、気道が狭くなり、口呼吸になりやすい傾向があります。口呼吸は、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。小児矯正で顎を広げることで、気道を広げ、鼻呼吸を促すことができます。鼻呼吸は、空気中のウイルスや細菌をろ過する機能があり、風邪や感染症の予防に役立ちます。また、鼻呼吸は、睡眠の質の向上にも繋がります。
発音の改善
顎が狭いと、舌の位置が不安定になり、正しい発音がしにくくなることがあります。特にサ行、タ行、ナ行、ラ行の発音が不明瞭になることがあります。小児矯正で顎を広げることで、舌の動きをスムーズにし、発音の改善をサポートすることができます。
咀嚼機能の向上
顎が狭いと、食べ物をしっかりと噛み砕くことが難しくなり、消化不良の原因となることがあります。小児矯正で顎を広げることで、咀嚼機能を向上させ、消化を助けることができます。しっかり噛むことで、脳の発達にも良い影響を与えます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の予防
顎が狭いと、気道が狭くなり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクが高まります。小児矯正で顎を広げることで、気道を確保し、SASの予防に繋がることがあります。特に、いびきや睡眠中の無呼吸が気になる場合は、専門医に相談することをお勧めします。
顎が狭いことによるデメリット
顎が狭いことは、見た目だけでなく健康面にも様々な悪影響を及ぼす可能性があります。将来的な問題を防ぐためにも、顎が狭いことによるデメリットを正しく理解しておくことが重要です。
見た目への影響
顎が狭いことで、顔全体のバランスが崩れ、以下のような見た目への影響が現れる可能性があります。
- 顔が小さく見える
顎が狭いことで、相対的に顔が小さく見え、幼い印象を与えてしまうことがあります。 - 口元が出ているように見える
顎が後退していることで、口元が前方に出ているように見え、横顔の印象に影響が出ることがあります。 - Eラインが崩れる
Eラインとは、鼻先と顎先を結んだラインのことです。顎が後退していると、Eラインが崩れ、美しい横顔の条件から外れてしまう可能性があります。 - 下顎が二重あごに見える
顎が狭いことで、あごの下に脂肪がつきやすく、二重あごに見えてしまうことがあります。
健康面への影響
顎が狭いことは、見た目だけでなく、以下のような健康面への影響も懸念されます。
- 歯並びの悪化
顎が狭いと歯が並ぶスペースが不足し、歯並びが悪くなる可能性が高くなります。叢生(そうせい:歯が重なり合って生えること)や乱杭歯(らんぐいば:歯が不規則に生えている状態)などの不正咬合のリスクが高まります。 - 咀嚼機能の低下
歯並びが悪くなると、食べ物をしっかり噛み砕くことができなくなり、咀嚼機能が低下します。消化不良や胃腸への負担につながる可能性があります。 - 発音障害
歯並びや顎の位置は、発音にも影響します。顎が狭いと、サ行やタ行などが発音しにくくなることがあります。 - 呼吸の問題
顎が狭いと気道が狭くなり、口呼吸になりやすくなります。口呼吸は、口内乾燥や歯周病、虫歯のリスクを高めるだけでなく、免疫力の低下やアレルギー症状の悪化にもつながる可能性があります。また、睡眠時無呼吸症候群のリスクを高めるという報告もあります。 - 顎関節症
顎の関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こす可能性があります。顎関節症は、顎の痛みや開口障害、関節雑音などの症状を引き起こします。
小児矯正で顎を広げるベストな時期
顎の成長を利用して効率的に顎を広げるためには、小児矯正を始める時期が重要です。お子様の歯の生え変わり時期を考慮し、最適なタイミングで治療を開始することで、より効果的な結果を得ることができます。大きく分けて、乳歯期、混合歯列期、永久歯列期の3つの時期に分けて解説します。
乳歯期(3歳〜6歳頃)
乳歯が生え揃う3歳〜6歳頃は、顎の骨が柔らかく、成長も活発な時期です。この時期に顎の狭さや不正咬合の兆候が見られる場合は、早期治療を開始することで、後の永久歯の歯並びや顎の成長に良い影響を与える可能性があります。この時期の矯正は、主に顎の成長を促すことを目的とし、取り外し可能な装置を使用することが一般的です。指しゃぶりや舌突出などの癖の改善もこの時期に行うことで、顎の発達を正常な方向へ導くことができます。
この時期に適応される主な装置としては、床矯正があります。床矯正は、取り外し可能な装置で、顎の成長を阻害する原因を取り除き、正常な発達を促します。また、筋機能訓練も併用することで、より効果的な治療が期待できます。
混合歯列期(6歳〜12歳頃)
乳歯と永久歯が混在する6歳〜12歳頃は、顎の成長がピークを迎える時期です。この時期は、顎の骨がまだ柔らかく、矯正治療による歯の移動や顎の拡大が比較的容易に行えます。そのため、顎の狭さを改善するだけでなく、歯並びの乱れも同時に治療することが可能です。
この時期に適応される主な装置としては、床矯正、急速拡大装置、マウスピース矯正などがあります。急速拡大装置は、短期間で顎の幅を広げることができる装置で、上顎の骨の縫合部分を利用して拡大を行います。マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を用いるため、目立ちにくく、取り外しも可能です。
装置 | メリット | デメリット |
---|---|---|
床矯正 | 取り外し可能、顎の成長促進 | 装着時間が必要 |
急速拡大装置 | 短期間で効果的 | 痛みを伴う場合がある |
マウスピース矯正 | 目立ちにくい、取り外し可能 | 適応症例が限られる |
それぞれの装置にはメリット・デメリットがあるため、お子様の歯並びや顎の状態、生活習慣などを考慮して、最適な装置を選択することが重要です。
永久歯列期(12歳以降)
永久歯が生え揃う12歳以降は、顎の成長が緩やかになり、骨も硬くなってきます。そのため、小児期に比べて歯の移動や顎の拡大に時間がかかる傾向があります。しかし、顎の成長が完全に止まっているわけではないため、適切な治療を行えば、顎を広げることは可能です。
この時期に適応される主な装置としては、ワイヤー矯正、マウスピース矯正などがあります。
ワイヤー矯正は、ブラケットと呼ばれる装置を歯に取り付け、ワイヤーで歯を動かしていく方法です。
マウスピース矯正は、永久歯列期でも使用可能な場合があり、透明なマウスピースを交換しながら歯並びを整えていきます。
永久歯列期での顎を広げる治療は、難易度が高くなる場合があるため、日本歯科医師会の認定医などの専門医に相談することが重要です。
どの時期に矯正治療を開始するかは、お子様の歯並びや顎の状態、成長段階によって異なります。そのため、歯科医師による適切な診断と治療計画の立案が不可欠です。気になることがあれば、早めに歯科医院を受診し、相談することをおすすめします。
小児矯正の治療法
顎の狭窄は、見た目だけでなく、呼吸や発音、咀嚼などにも影響を及ぼす可能性があります。小児期における適切な矯正治療は、健やかな成長発育のために非常に重要です。ここでは、小児矯正の治療法を詳しく解説します。
床矯正
床矯正の種類と特徴
床矯正は、取り外し可能な装置を用いて顎の成長を促し、歯並びを整える治療法です。主に乳歯列期から混合歯列期にかけて適用されます。
種類 | 特徴 |
---|---|
拡大床 |
ネジを回すことで装置を広げ、顎骨の成長を促進します。 |
機能訓練装置 | 舌や口周りの筋肉のトレーニングを促し、顎の正常な発達を促します。代表的なものとして、ムーシールドやツインブロックなどがあります。 |
保定装置 | 歯列矯正後の後戻りを防ぐために使用されます。 |
床矯正のメリット・デメリット
メリット |
デメリット |
---|---|
取り外し可能で、口腔内の清掃がしやすい | 装着時間をきちんと守らないと効果が出にくい |
比較的費用が安い | 適用できる症例が限られる |
顎の成長を促すことができる | 装置の紛失や破損のリスクがある |
マウスピース矯正
マウスピース矯正の種類と特徴
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を装着することで歯を少しずつ動かしていく治療法です。取り外し可能で、目立ちにくいのが特徴です。近年、小児矯正にも適用されるようになってきています。
インビザライン・ファーストのような子供向けのマウスピース矯正も登場しています。従来のマウスピース矯正と比較して、顎の成長をより効果的に促すように設計されています。
マウスピース矯正のメリット・デメリット
メリット |
デメリット |
---|---|
透明で目立ちにくい | 装着時間をきちんと守らないと効果が出にくい |
取り外し可能で、口腔内の清掃がしやすい | 適用できる症例が限られる |
金属アレルギーの心配がない | 費用が比較的高額 |
急速拡大装置
急速拡大装置の種類と特徴
急速拡大装置は、上顎の骨を短期間で広げるための固定式の装置です。主に上顎の幅が狭い場合に用いられます。ネジを毎日一定回数回すことで、上顎骨の正中口蓋縫合を広げます。
代表的な急速拡大装置としては、ハイラックスやバイダーなどが挙げられます。
急速拡大装置のメリット・デメリット
メリット |
デメリット |
---|---|
短期間で顎の幅を広げることができる | 発音や食事に一時的な影響が出る場合がある |
外科手術を回避できる場合がある | 装置が目立つ |
後戻りが少ない | 痛みを伴う場合がある |
小児矯正で顎を広げる治療期間
小児矯正で顎を広げるための治療期間は、使用する装置の種類、お子様の年齢や顎の成長具合、そして目指す矯正の程度によって大きく異なります。一般的には、数ヶ月から数年かかる場合もあり、一概に「〇ヶ月で終わる」とは言えません。そのため、治療開始前に歯科医師としっかり相談し、治療計画を立てていくことが重要です。治療期間が長くなる可能性もあるため、保護者の方の理解と協力も不可欠です。
治療法による期間の違い
治療法によって、治療期間は大きく変わります。以下に主要な治療法と、それぞれのおおよその治療期間をまとめました。
治療法 |
期間 |
特徴 |
---|---|---|
床矯正 | 1~3年 |
顎の成長を利用して顎を広げるため、比較的時間がかかります。 |
マウスピース矯正 | 1~2年 | 歯の移動に重点を置いた治療法で、顎の拡大効果は限定的です。症例によっては床矯正などと併用する場合もあります。 |
急速拡大装置 | 3~6ヶ月 | 短期間で顎の骨を拡大させる装置ですが、後戻りを防ぐために保定期間が必要です。 |
小児矯正の費用相場
小児矯正の費用は、使用する装置の種類や治療期間、治療を受ける歯科医院によって大きく異なります。費用の目安を把握し、治療計画を立てる際の参考にしてください。
治療法別の費用相場
治療法 |
費用相場 |
備考 |
---|---|---|
床矯正 | 20万円~50万円 | 比較的安価な治療法ですが、治療期間が長くなる場合があります。 |
マウスピース矯正 | 40万円~80万円 | 取り外し可能なため、食事や歯磨きの際に便利です。透明なマウスピースを使用するため、目立ちにくいというメリットもあります。 |
急速拡大装置 | 10万円~20万円 | 短期間で顎を広げることができますが、適応症例が限られます。 |
装置の種類別の費用相場
装置の種類 |
費用相場 |
備考 |
---|---|---|
床矯正装置 | 装置代込みで20万円~50万円 | ネジを回して顎を徐々に広げていく装置です。 |
マウスピース型矯正装置(インビザラインなど) | 40万円~80万円 |
透明なマウスピースを定期的に交換しながら歯を動かしていきます。 |
急速拡大装置(クワドヘリックス、ハイラックスなど) | 10万円~20万円 | 短期間で上顎を拡大する装置です。 |
バイオネーター | 10万円~20万円 | 下顎の成長を促進する装置です。 |
チンキャップ | 無料~数万円 (床矯正などと併用されることが多い) | 下顎の過成長を抑える装置です。 |
上記の費用はあくまで目安であり、歯科医院によって異なる場合があります。 実際の費用については、歯科医院で相談してください。
小児矯正を受ける上での注意点
小児矯正は子供の将来の歯並びや顎の成長に大きく影響するため、慎重に進める必要があります。信頼できる歯科医院選びから治療中のケア、治療後の定期検診まで、様々な注意点があります。しっかりと理解した上で治療を始めましょう。
信頼できる歯科医院選び
小児矯正を成功させるためには、経験豊富で信頼できる歯科医師を選ぶことが非常に重要です。以下のポイントを参考に、最適な歯科医院を見つけましょう。
- ・日本矯正歯科学会の認定医であるか
- ・小児矯正の実績が豊富であるか
- ・治療方針や費用について丁寧に説明してくれるか
- ・セカンドオピニオンを受け付けているか
- ・通院しやすい場所にあるか
複数の歯科医院を比較検討し、お子様と保護者にとって最適な医院を選びましょう。口コミサイトや知人の紹介なども参考にすることができます。
治療中のケア
小児矯正中は、毎日の丁寧なブラッシングが欠かせません。装置が付いているため、食べカスが詰まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯科医師の指導に従い、正しいブラッシング方法を身につけましょう。
ケア用品 |
使用方法 |
効果 |
---|---|---|
歯ブラシ | 矯正装置専用の歯ブラシや、毛先の細い歯ブラシを使用する | 装置の隙間や歯の表面を効果的に清掃 |
歯間ブラシ | 装置と歯の隙間、歯と歯の間の清掃 | 食べカスやプラークの除去 |
デンタルフロス | 歯と歯の間の清掃 | 歯間ブラシでは届かない細かい部分のプラーク除去 |
洗口液 | ブラッシング後に使用 | 口臭予防、虫歯予防 |
定期的な歯科医院でのクリーニングも重要です。専門家によるクリーニングで、家庭では落としきれない汚れを除去し、口腔内を清潔に保ちましょう。
食事の注意点
矯正装置を破損する可能性のある、硬い食べ物や粘着性の強い食べ物は控えましょう。キャラメルやガム、せんべいなどは注意が必要です。また、飴やチョコレートなどの糖分の多いお菓子も虫歯のリスクを高めるため、摂取量に気をつけましょう。
定期検診の重要性
小児矯正は、治療が完了した後も定期検診を受けることが大切です。歯並びや噛み合わせの状態をチェックし、後戻りを防ぎます。また、虫歯や歯周病の早期発見にも繋がります。歯科医師の指示に従い、定期的に検診を受け、健康な歯を維持しましょう。成長に伴う変化にも対応できるため、顎の成長が止まるまで継続的に観察することが推奨されます。
保定装置の使用についても、歯科医師の指示に従い、正しく使用することで後戻りを防ぎ、美しい歯並びを維持することができます。疑問点や不安なことは、遠慮なく歯科医師に相談しましょう。
まとめ
この記事では、小児矯正で顎を広げるメリット・デメリット、ベストな時期、最新の治療法、費用相場、注意点などについて解説しました。顎が狭いことによる見た目や健康への影響を理解し、お子様の歯並びや顎の発達に不安を感じたら、早めに矯正歯科に相談することが大切です。
信頼できる歯科医院選びや治療中のケア、定期検診も重要です。疑問や不安があれば、遠慮なく歯科医師に相談し、納得した上で治療を開始しましょう。
小児矯正は、お子様の将来の健康な歯並びと美しい笑顔のために大切な投資です。この記事が、お子様の矯正治療を検討する上で少しでもお役に立てれば幸いです。