子どもの口呼吸の治し方|歯並びへの影響と家庭でできる改善トレーニング
テレビを見ている時や眠っている時、お子さまのお口がポカンと開いていませんか。
その「お口ポカン」、実は単なる癖ではなく、将来の歯並びや健康に影響を及ぼす「口呼吸」のサインかもしれません。この記事では、熊本市のかどおか歯科医院が、お子さまの口呼吸に悩む保護者の方へ向けて、その原因からご家庭でできる治し方、専門的な治療法までを詳しく解説いたします。
大切なお子さまの健やかな未来のために、正しい知識を身につけ、今日からできる一歩を踏み出しましょう。
うちの子も?お口ポカンは危険信号【口呼吸セルフチェックリスト】
「もしかして、うちの子も口呼吸?」と気になったら、まずは日常の様子をチェックしてみましょう。専門的な知識がなくても、お子さまの普段の仕草や見た目から口呼吸の可能性を確認できます。
以下のリストで、当てはまる項目がいくつあるか数えてみてください。
| 項目 | 生活面でのサイン |
|---|---|
| 1 |
食事を食べるのが遅く、よくクチャクチャと音を立てる |
|
2 |
いつも口をポカンと開けていることが多い |
|
3 |
いびきをかいたり、歯ぎしりをしたりする |
|
4 |
風邪をひきやすく、鼻がよく詰まっている |
|
5 |
滑舌が悪く、発音が不明瞭なことがある |
| 項目 | 見た目のサイン |
|---|---|
|
1 |
唇がカサカサに乾いている |
|
2 |
上唇が富士山のような形をしている |
|
3 |
歯並びがガタガタしていたり、出っ歯だったりする |
|
4 |
猫背で姿勢が悪い |
|
5 |
口を閉じると、あごに梅干しのようなシワができる |
これらの項目に3つ以上当てはまる場合は、口呼吸が習慣化している可能性があります。早めに原因を探り、対策を始めることが大切です。
なぜ口呼吸に?考えられる4つの原因【歯科と耳鼻科の視点から解説】
お子さまが口呼吸になってしまうのは、単なる「癖」だけが理由ではありません。その背景には、鼻の病気やお口周りの問題など、様々な原因が隠れていることがあります。ここでは、口呼吸を引き起こす主な原因を「鼻のトラブル」と「お口の問題」の2つの側面から見ていきましょう。
① 鼻のトラブル(アレルギー性鼻炎・アデノイド肥大など)
口呼吸の最も一般的な原因の一つが、鼻での呼吸がしづらい状態、つまり「鼻づまり」です。鼻が詰まっていると、息をするために無意識に口を開けてしまいます。お子さまの鼻づまりを引き起こす代表的な原因には、以下のようなものがあります。
| 原因 | 主な症状と特徴 |
|---|---|
|
アレルギー性鼻炎 |
花粉やハウスダストなどが原因で鼻の粘膜が炎症を起こし、くしゃみ・鼻水・鼻づまりが続く。 |
|
アデノイド肥大 |
鼻の奥にあるリンパ組織(アデノイド)が大きくなり、鼻の通り道を物理的に塞いでしまう。 |
|
扁桃肥大 |
のどにある扁桃腺が大きくなり、気道を狭くしていびきや口呼吸の原因となることがある。 |
|
副鼻腔炎(蓄膿症) |
鼻の周りにある空洞(副鼻腔)に膿がたまり、色のついた鼻水や鼻づまりが長引く。 |
これらの症状に心当たりがある場合は、まず耳鼻咽喉科を受診し、鼻のトラブルを解消することが口呼吸改善の第一歩となります。
② お口の問題(歯並び・口周りの筋力不足)
鼻に問題がなくても、お口の状態が原因で口呼吸になってしまうケースも少なくありません。特に、歯並びやお口周りの筋肉の発達は、口を自然に閉じる能力に大きく関わってきます。歯科的な観点から考えられる主な原因は以下の通りです。
| 原因 | 具体的な状態と影響 |
|---|---|
|
歯並びの問題 |
– 上顎前突(出っ歯):上の前歯が突出しているため、意識しないと唇を閉じにくい。 – 開咬(オープンバイト):奥歯をかんでも前歯が閉じず、隙間ができてしまう。 |
|
口周りの筋力不足 |
– 口唇閉鎖力の低下:唇を閉じる力が弱く、無意識のうちに口が開いてしまう。 – 舌の位置異常(低位舌):舌が正しい位置(上あご)に収まらず、下あご側に落ち込んでいる。 |
お口周りの筋力は、赤ちゃんの頃の哺乳や離乳食の食べ方などが影響します。もし歯並びに気になる点があったり、お口を閉じるのが苦手そうだったりする場合は、歯科医院への相談をお勧めします。
放置はNG!口呼吸が子どもの歯並び・顔つき・健康に与える深刻なリスク
「口で呼吸するくらい、大したことないのでは?」と考えるのは大変危険です。実は、口呼吸を長期間放置することは、お子さまの成長に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。見た目の問題だけでなく、全身の健康や学習能力にまで関わる深刻なリスクについて、歯科医師の視点から解説します。
リスク1 歯並びの悪化と特有の顔つき「アデノイド顔貌」
口呼吸が習慣になると、舌が常に低い位置(低位舌)にあります。本来、舌は上あごにぴったりと付いていることで、上あごの骨を内側から押し広げ、歯が並ぶためのスペースを作る役割を担っています。しかし、口呼吸によってこの働きが失われると、以下のような問題が起こりやすくなります。
| 影響 | 具体的な内容 |
|---|---|
|
歯並びへの影響 |
– 上あごの劣成長:上あごが狭くV字型になり、歯が並ぶスペースが不足して歯並びがガタガタになる。 – 出っ歯・開咬の誘発:舌で前歯を押す癖がつき、出っ歯になったり、前歯がかみ合わない開咬になったりする。 |
|
顔つきへの影響 |
– アデノイド顔貌:面長でぼんやりとした表情、口元のしまりがない、下あごが後退しているといった特徴的な顔つきになる。 – Eラインの乱れ:横顔の美しさの指標であるEライン(鼻先とあご先を結んだ線)が崩れやすくなる。 |
これらの変化は、一度骨格が固まってしまうと改善が難しくなるため、成長期である子どものうちからの対策が非常に重要です。
リスク2 虫歯・口臭から免疫力低下まで…全身への悪影響
お口の中は、通常「唾液」によって潤され、清潔に保たれています。唾液には、食べかすを洗い流したり、細菌の増殖を抑えたり、酸性に傾いたお口の中を中和したりする大切な働きがあります。口呼吸によってお口の中が乾燥すると、この唾液の働きが十分に得られなくなり、様々なトラブルを引き起こします。
| 影響 | 具体的なリスク内容 |
|---|---|
|
口腔内トラブル |
– 虫歯・歯周病リスクの増加:唾液の自浄作用が低下し、虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすくなる。 – 口臭の発生:お口の中の細菌が増え、強い口臭の原因となる。 |
|
全身の健康トラブル |
– 免疫力の低下:鼻のフィルター機能(加湿・加温・除菌)が働かず、ウイルスや細菌が直接体内に侵入し、風邪やインフルエンザにかかりやすくなる。 – アレルギー・喘息の悪化:冷たく乾燥した空気が直接のどや気管を刺激し、症状を悪化させる可能性がある。 |
このように、口呼吸は単なるお口の問題にとどまらず、お子さまの全身の健康を脅かす要因となるのです。
リスク3 睡眠の質の低下が招く集中力・成長への影響
睡眠中の口呼吸は、いびきの原因になるだけでなく、より深刻な「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」を引き起こすリスクを高めます。睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりすると、体内に十分な酸素が行き渡らず、脳や身体が休まりません。その結果、以下のような影響が現れることがあります。
| 影響 | 具体的な内容 |
|---|---|
|
発育への影響 |
質の良い睡眠中に多く分泌される「成長ホルモン」の分泌が妨げられ、身体の健やかな発育に影響が出る可能性がある。 |
|
学習・行動面への影響 |
– 日中の強い眠気:授業中に眠くなってしまう。 – 集中力の低下:注意力が散漫になり、落ち着きがなくなる。 – 学習能力の低下:記憶力や思考力が十分に働かない。 |
「うちの子、なんだか落ち着きがないな」と感じていた原因が、実は睡眠中の口呼吸による酸素不足だった、というケースも少なくありません。
自宅でできる口呼吸の治し方 今日から始める簡単トレーニング&生活改善
専門家への相談と並行して、ご家庭で取り組めることもたくさんあります。口呼吸を鼻呼吸へと導くためには、毎日の生活の中での小さな意識づけやトレーニングが効果的です。ここでは、親子で楽しく始められる簡単な方法をいくつかご紹介します。
親子で挑戦!口周りの筋肉を鍛える「あいうべ体操」
口呼吸の大きな原因である「お口周りの筋力不足」と「舌の位置の異常」を改善するために、非常に効果的なトレーニングが「あいうべ体操」です。特別な道具は不要で、いつでもどこでも簡単に行えます。
| 手順 | やり方とポイント |
|---|---|
|
1. 「あー」 |
口を大きく丸く開ける。 |
|
2. 「いー」 |
口を横に大きく広げる。 |
|
3. 「うー」 |
唇を前に突き出すように、強くすぼめる。 |
|
4. 「べー」 |
舌をあごの先につけるようなイメージで、下へ思い切り伸ばす。 |
【ポイント】
- 声は出さなくても大丈夫です。
- 一つひとつの動きを、ゆっくり、そして大げさに行うのがコツです。
- 1セット4秒ほどかけて行い、1日30セットを目標に、食後など時間を決めて習慣にしましょう。
市販の口呼吸防止テープは子供に安全?歯科医が教える注意点
ドラッグストアなどで見かける「口呼吸防止テープ」に興味をお持ちの方もいるかもしれません。睡眠中に貼ることで物理的に口を閉じさせ、鼻呼吸を促すアイテムです。しかし、お子さまへの使用にはいくつかの注意点があります。
| 項目 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
|
効果 |
物理的に口を閉じることで、睡眠中の鼻呼吸を習慣づける助けになる。 |
鼻が完全につまっている状態で使用すると窒息の危険がある。 肌が弱いお子さまは、テープでかぶれてしまう可能性がある。 |
|
使用の判断 |
必ず自己判断で使用せず、事前に歯科医師や耳鼻咽喉科医に相談し、鼻の通りに問題がないことを確認してから使用を検討する。 |
お子さまが嫌がる場合は無理強いしない。 子ども専用の肌に優しいテープを選ぶ。 |
安全に使用するためにも、まずは専門家に相談することが不可欠です。
歯科?耳鼻科?子どもの口呼吸、何科を受診すべきか徹底解説
お子さまの口呼吸に気づいた時、多くの保護者の方が「どこの病院に行けばいいの?」と悩まれます。原因によって専門とする診療科が異なるため、症状に合わせた適切な受診先を選ぶことが、スムーズな改善への近道となります。
| こんな症状が気になるなら… | まずは「耳鼻咽喉科」へ |
|---|---|
|
主な症状 |
– 年中鼻がつまっている – いびきがひどい – アレルギー(花粉症など)がある – よく耳を気にする、中耳炎を繰り返す |
|
受診の目的 |
アレルギー性鼻炎やアデノイド・扁桃肥大など、鼻やのどに病気が隠れていないかを診断してもらい、必要であれば治療を受ける。 |
| こんな症状が気になるなら… | まずは「歯科(小児歯科)」へ |
|---|---|
|
主な症状 |
– 鼻は通っているのに口が開いている – 出っ歯や受け口、歯並びの乱れがある – 口を閉じるとあごにシワができる – 食べ方が気になる(クチャクチャ音、食べるのが遅いなど) |
|
受診の目的 |
歯並びやかみ合わせの問題、お口周りの筋肉の発達状態などを評価してもらい、専門的なトレーニング(MFT)や矯正治療の必要性を判断してもらう。 |
理想的なのは、耳鼻咽喉科で鼻の問題がないことを確認した上で、歯科で本格的な改善に取り組むことです。かどおか歯科医院では、必要に応じて地域の耳鼻咽喉科と連携しながら、お子さまにとって最適な治療プランをご提案します。
歯科医院でできる専門的な治し方|矯正から子供に優しい治療法まで
ご家庭でのトレーニングと合わせて、歯科医院ではより専門的なアプローチで口呼吸の根本改善を目指します。歯並びを整えるだけでなく、お口の正しい機能を育てるための治療や、お子さまが安心して治療を受けられるための工夫を行っています。熊本市のかどおか歯科医院での取り組みを交えながら、具体的な治療法をご紹介します。
根本改善を目指す「口腔筋機能療法(MFT)」と歯列矯正
歯科医院で行う口呼吸の治療は、単に見た目を整えるだけではありません。お口の「機能」を正常に発達させ、正しい呼吸を習慣づけることを目的とします。
| 治療法 | 目的と内容 |
|---|---|
|
口腔筋機能療法(MFT) |
舌や唇など、お口周りの筋肉のバランスを整えるためのトレーニングです。歯科衛生士の指導のもと、舌の正しい位置や飲み込み方などを繰り返し練習し、鼻呼吸しやすいお口の環境を作ります。 |
|
歯列矯正 |
歯並びが原因で唇が閉じにくい場合、矯正治療によって物理的な問題を解決します。特にお子さまの成長期に行う小児矯正(マウスピース型矯正装置など)は、あごの健やかな発育を促し、口呼吸の改善に非常に効果的です。 |
これらの治療を組み合わせることで、後戻りの少ない根本的な改善が期待できます。
歯医者さんが苦手な子も安心!熊本市・かどおか歯科医院の優しい治療へのこだわり
「うちの子、歯医者さんを怖がるから…」と治療をためらってしまう保護者の方もご安心ください。かどおか歯科医院では、お子さまが歯科治療に対して恐怖心を持たないよう、様々な工夫を凝らしています。私たちは「心のこもった、やさしい医療」を理念に、お子さま一人ひとりのペースに合わせた丁寧な対応を心がけています。
| かどおか歯科医院の 取り組み |
内容 |
|---|---|
|
Tell-Show-Do法 |
「これから何をするか(Tell)」を言葉で説明し、「使う器具(Show)」を見せてから、「実際に治療を行う(Do)」という段階的なアプローチで、お子さまの不安を和らげます。 |
|
各種鎮静法 |
不安が強いお子さまには、リラックス効果のある笑気ガスを吸入する「笑気吸入鎮静法」などを用い、うとうとと心地よい状態で治療を受けることも可能です。 |
|
担当医・担当衛生士制 |
初診から一貫して同じ歯科医師と歯科衛生士が担当することで、お子さまとの信頼関係を築き、安心して通院できる環境を整えています。 |
お子さまのお口の健康で気になることがあれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
【まとめ】子どもの健やかな成長のために、口呼吸を見逃さず専門家へ相談を
お子さまの「お口ポカン」は、決して見過ごしてよいサインではありません。口呼吸は、歯並びや顔つきといった見た目の問題だけでなく、虫歯のリスク増加、免疫力の低下、さらには集中力や発育にまで影響を及ぼす可能性があるからです。まずはご家庭でセルフチェックや簡単なたトレーニングを試しつつ、できるだけ早く専門家へ相談することが重要になります。原因に応じて耳鼻咽喉科や歯科を受診し、根本的な問題を解決することが、お子さまの健やかな未来を守ることに繋がります。
熊本市のかどおか歯科医院では、お子さま一人ひとりの状態を丁寧に診断し、ご家族に寄り添いながら最適な治療法をご提案しています。お子さまの口呼吸でお悩みでしたら、ぜひ一度、当院へご相談ください。
