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歯を失う原因トップ2は「歯周病」と「むし歯」!一生自分の歯でいるための予防歯科完全ガイド

「将来、自分の歯で美味しく食事ができるだろうか」と、ふと考えたことはありませんか。
多くの人が、歯は失って初めてその大切さに気づきます。
この記事では、歯を失う科学的なメカニズムと、今日から実践できる具体的な予防法を分かりやすく解説します。
生涯にわたるお口の健康、ひいては全身の健康を守るための知識が身につくでしょう。
この記事を読み終える頃には、ご自身の歯を守るための具体的な一歩を踏み出せるはずです。

 

なぜ歯を守るべき?歯を失うことで起こる、生活の質(QOL)の低下

歯を 1 本失うことは、単に食べづらくなるだけの問題ではありません。
私たちの生活の質(QOL)に、多岐にわたる影響を及ぼす可能性があります。

影響を受ける領域

具体的なデメリット

食事

– 硬いものや繊維質のものが食べにくくなる

– 栄養の偏りが生じやすくなる

– 食事の楽しみが半減する

会話

– 空気が漏れて発音しにくくなる(特にサ行・タ行)

– 人との会話に自信が持てなくなる

見た目

– 口元の印象が変わり、老けて見えやすい

– 歯並び全体が崩れる原因になる

– 笑顔にコンプレックスを感じるようになる

健康

– 噛む力が弱まり、脳への刺激が減少する

– 残った歯への負担が増え、他の歯の寿命も縮まる

– 顎の骨が痩せてしまうことがある

 

 

日本人が歯を失う三大原因とは?統計データで見る真実

では、なぜ多くの人が歯を失ってしまうのでしょうか。
実は、その原因には明確な統計データが存在します。
厚生労働省の調査によると、歯を失う原因の大部分は、特定の二つの病気が占めているのです。

 

順位

原因

割合

特徴

1 位

歯周病

約 37 %

細菌によって歯を支える骨が溶かされる病気。自覚症状なく進行することが多い。

2 位

むし歯

約 29 %

細菌が作り出す酸によって歯が溶かされる病気。進行すると神経まで達する。

3 位

歯の破折

約 18 %

歯ぎしりや食いしばり、転倒などの強い力で歯が割れたり折れたりすること。

その他

約 16 %

矯正治療のための抜歯など。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット

 

 

 

 

このデータから、歯周病とむし歯を合わせると、歯を失う原因の 3 分の 2 近くを占めることが分かります。
つまり、この二つの病気をいかにコントロールするかが、自分の歯を守る上で極めて重要になるのです。

 

原因1:歯周病 

歯周病は「サイレント・ディジーズ(静かなる病気)」とも呼ばれています。
痛みなどの自覚症状がほとんどないまま、水面下で静かに進行するのが特徴です。
歯を支える家(歯槽骨)の土台が、歯周病菌によって知らぬ間に崩されていくイメージを持つと分かりやすいでしょう。

進行段階

状態

主な症状

歯肉炎

歯ぐきにのみ炎症が起きている状態。

– 歯みがきで出血する

– 歯ぐきが赤く腫れる

軽度歯周炎

炎症が歯槽骨にまで広がり始めた状態。

– 歯周ポケットが 3〜4 mm 程度になる

– 口臭が気になることがある

中等度歯周炎

歯槽骨の破壊がさらに進んだ状態。

– 歯が浮いたように感じる

– 歯ぐきから膿が出ることがある

– 歯が少し揺れ始める

重度歯周炎

歯槽骨が半分以上失われた状態。

– 歯がグラグラして硬いものが噛めない

– 自然に歯が抜け落ちることがある

原因2:むし歯

むし歯は、お口の中の「脱灰」と「再石灰化」のバランスが崩れることで発生します。
むし歯菌が食べ物に含まれる糖を分解して「酸」を作り、歯の表面を溶かすのが「脱灰」です。
一方で、唾液の力によって溶かされた歯の成分を修復するのが「再石灰化」となります。
このバランスが酸性側に傾き、「脱灰」が優位になると、むし歯が進行し始めるのです。

 

バランスを崩す要因(脱灰を促進)

バランスを保つ要因(再石灰化を促進)

– 甘いものを頻繁に食べる

– 唾液が十分に分泌されている

– 食後や就寝前の歯みがきを怠る

– フッ素を適切に使用する

– だらだらと時間をかけて飲食する

– 食事の時間を決めてメリハリをつける

– 口の中が乾燥しやすい

– キシリトールなどを活用する

 

原因3:歯の破折 

歯周病やむし歯だけでなく、物理的な力で歯が割れたり折れたりすることも、歯を失う原因の一つです。
特に、過去に神経の治療(抜髄)をした歯は、枯れ木のように脆くなっているため注意が必要になります。

  • 睡眠中の歯ぎしりや日中の食いしばり
  • 転倒や事故などの外傷
  • 硬い食べ物を不用意に噛む
  • 神経を抜いた歯の劣化

 

 

「治療」から「予防」へ – 予防歯科という新しい常識

かつては「歯医者は歯が痛くなってから行く場所」と考えるのが一般的でした。
しかし、それでは歯を失うリスクから逃れることはできません。
そこで重要になるのが、「悪くならないために通う」という予防歯科の考え方です。
かどおか歯科医院では、この予防歯科に力を入れ、皆さまの大切な歯を守るお手伝いをしています。

 

項目

治療中心の歯科

予防中心の歯科

目的

悪くなった部分を治す(対症療法)

そもそも悪くならないようにする(原因療法)

通院理由

痛み、腫れ、詰め物が取れたなど

定期検診、クリーニング、リスク管理など

将来の歯

治療を繰り返すことで歯が弱くなる可能性

健康な状態を長く維持できる可能性が高い

生涯の費用

高額な治療が必要になることがある

定期的な費用で将来の高額治療を防ぐ

 

予防歯科【セルフケア】今日から自宅でできること

予防歯科の基本は、毎日のご自宅でのケア、すなわち「セルフケア」にあります。
歯科医院でのプロフェッショナルケアも重要ですが、その効果を最大限に引き出すためには、日々の正しいお手入れが欠かせません。
毎日の少しの努力が、将来の大きな違いを生み出します。

 

正しいブラッシングと補助清掃用具(フロス・歯間ブラシ)の活用法

歯ブラシだけで落とせる歯垢(プラーク)は、全体の約 6 割程度だと言われています。
残りの 4 割は、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目などに潜んでいます。
この磨き残しをなくすために、デンタルフロスや歯間ブラシといった補助清掃用具の活用が不可欠なのです。

 

清掃用具

主な役割

こんな方におすすめ

歯ブラシ

歯の表面や噛み合わせ面の歯垢を除去する。

すべての方

デンタルフロス

歯と歯が接している狭い隙間の歯垢を除去する。

歯と歯の隙間が狭い方

歯間ブラシ

歯と歯の間の少し広い隙間の歯垢を除去する。

歯ぐきが下がり、隙間が目立つ方

 

フッ素配合歯磨剤の効果的な使い方と食生活のポイント

日々のセルフケアの効果を高めるためには、フッ素の活用と食生活の見直しが有効です。
フッ素には、むし歯の発生と進行を防ぐ 3 つの大きな働きがあります。

  1. 歯質強化: 歯の表面を酸に溶けにくい強い構造に変えます。
  2. 再石灰化の促進: 初期むし歯で溶け出した成分の修復を助けます。
  3. 細菌の活動抑制: むし歯菌が酸を作り出す働きを弱めます。

むし歯リスクを下げる食生活

むし歯リスクを上げる食生活

– 食事の時間を決めてだらだら食べない

– 甘いお菓子やジュースを頻繁に摂取する

– 食物繊維の多い野菜などをよく噛んで食べる

– 長時間かけて飴やガムを口にしている

– 就寝前には飲食を控える

– スポーツドリンクを水代わりに飲む

 

予防歯科【プロフェッショナルケア】歯科医院で受ける専門的ケア

セルフケアを完璧に行っているつもりでも、どうしても磨き残しは出てしまいます。
また、歯石のように硬くなってしまった汚れは、ご自身の歯ブラシでは除去できません。
そこで重要になるのが、歯科医師や歯科衛生士による「プロフェッショナルケア」です。
かどおか歯科医院では、専門家がお一人おひとりの状態に合わせた最適なケアを提供しています。

 

PMTCとスケーリング:セルフケアで落とせない汚れを徹底除去

プロフェッショナルケアの中心となるのが、PMTC とスケーリングです。
これらは、セルフケアでは取り除くことのできない細菌の塊(バイオフィルム)や歯石を徹底的に除去する処置となります。

 

処置

目的

内容

PMTC

(専門的機械的歯面清掃)

バイオフィルム(細菌の膜)の除去

歯の表面をツルツルにする

専用のブラシやカップを使い、特殊なペーストで歯面を磨き上げる。

スケーリング

(歯石除去)

歯石の除去

専用の器具(スケーラー)を使い、歯の表面や歯周ポケット内の歯石を破壊・除去する。

 

高濃度フッ素塗布とブラッシング指導:歯質強化とセルフケアの向上

歯科医院では、市販の歯磨剤よりも高濃度のフッ素を直接歯に塗布することが可能です。
これにより、歯質をより強力に強化し、むし歯になりにくい状態を作ります。
また、歯科衛生士がお口の中を隅々までチェックし、その方に合ったオーダーメイドの歯みがき方法や清掃用具の選び方を指導することも、プロフェッショナルケアの重要な役割の一つです。

 

口腔は全身の鏡!歯周病が引き起こす全身疾患のリスク

お口の健康は、全身の健康と密接につながっています。
特に歯周病は、その原因菌や炎症によって生み出される物質が血液を介して全身に広がり、さまざまな病気のリスクを高めることが分かってきました。
予防歯科は、お口だけでなく全身の健康を守るための重要な取り組みなのです。

 

 

関連が指摘される全身疾患

糖尿病:相互に悪影響を及ぼし合う関係。歯周病治療で血糖コントロールが改善することがある。

心血管疾患:歯周病菌が血管に入り込み、動脈硬化を促進。心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高める。

誤嚥性肺炎:歯周病菌を含む唾液が誤って気管に入ることで発症。特に高齢者は注意が必要。

認知症:歯周病による慢性的な炎症が、認知症の発症や進行に関与する可能性が指摘されている。

早産・低体重児出産:妊娠中の歯周病が、胎児の成長に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

【まとめ】歯を失う原因を知り、今日から始める予防歯科で健康な未来を

この記事では、歯を失う原因と、それを防ぐための予防歯科について解説しました。
大切なポイントを最後にもう一度確認しましょう。

  • 日本人が歯を失う二大原因は「歯周病」と「むし歯」である。
  • 予防には、日々の「セルフケア」と歯科医院での「プロフェッショナルケア」の両方が不可欠。
  • セルフケアでは、歯ブラシに加えてフロスや歯間ブラシを使い、磨き残しをなくすことが重要。
  • プロフェッショナルケアでは、セルフケアで落とせない歯石やバイオフィルムを徹底的に除去する。
  • お口の健康は、糖尿病や心疾患など全身の健康にも深く関わっている。

「もう遅い」ということは決してありません。
まずはご自身のセルフケアを見直し、そして信頼できる歯科医院で定期的なメンテナンスを始めてみませんか。
熊本県熊本市南区にある「かどおか歯科医院」は、皆さまが生涯にわたってご自身の歯で健康に過ごせるよう、全力でサポートいたします。
お口のことで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

 

監修者

歯科医師 角岡 宏亮

経歴

東海大学農学部 卒業
福岡歯科大学 編入学
福岡歯科大学 卒業
九州歯科大学附属病院にて研修
かどおか歯科医院 入職 2015〜2020
医療法人皐月会 関歯科医院 入職 2020〜2023
かどおか歯科医院 副院長 2023〜2024
かどおか歯科医院 院長就任 2024
かどおか歯科医院 理事長就任 2025

資格・所属学会

日本小児口腔発達学会

角岡 宏亮